野球肘の予防[1] 正しい腕の使い方を教える
少年野球のピッチャーの怪我(故障)で多いのが、肘を肩だと思います。
バッターの場合、トップの位置(打ちに行くときにバットを引いたポジション)を間違えても、大きなトラブルにはなりません。
しかし、ピッチャーの場合、トップの位置を間違えると、肘と肩の故障の原因となります。
上半身の腕の使い方を間違えていると、必ずと言っていいほど、「肘が痛い〜」、「肩が痛い〜」と言い始めます。
野球肘の最大の予防法は、正しい腕の使い方を教えることだと思います。
しかし、少年野球のピッチャーは、間違った上半身の使い方をしている選手が意外に多いと思います。
この間、地区大会の準決勝で対戦してチームのエースピッチャーも間違った上半身の使い方をしていました。
いわゆるアーム型というやつで、ピッチングでテイクバックした時に、手の甲が上の向かないのです。
そして、アームみたいに腕を使って投げています。
このピッチャーは、体もあって球が速いですが、「将来、間違いなく故障するな〜」と思いました。
試合の結果は、うちのチームが負けてしまいました。
このピッチャーの次の試合(決勝)も勝ち、地区大会を制しました。
これだけ強いチームのエースでも、腕の使い方を間違えているのですよね。
(監督、コーチは正しい投げ方を教えないのでしょうか…)
繰り返しになりますが、バッターは、「間違えた〜」で済むと思います。
個性を大切に自由に打たせるのもありだと思います。
しかし、ピッチャーは「間違えた〜」では済みません。
最悪の場合、野球肩や野球肘で小学生時代でピッチャー生命を終えるかもしれません。
現にそういう選手を何人も見てきました。
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キャッチボールを通して腕の使い方を教える
小学生の身体は大人とは違います。
まだ、これから作られていくという段階です。
それなのに、目先の勝利を優先して、「ボールが速い→抑えられる」という理由で投手起用をするべきではないと思います。
そして、大切なこと、ピッチャーというポジションを与えるなら、最低限、上半身の使い方、下半身の使い方の基本は教えるべきです。
時間をかけてでも、しっかりと教えるべきです。
子供たちの憧れのポジションは、ピッチャーです。
「ピッチャーやりたい!」と皆言います。
うちの子供もそうです。
でも、すぐにはやらせませんでした。
まずは、キャッチボールを通して、正しい腕の使い方を教えました。
はじめは、ボールも持たずに、タオルを持って、ゆっくりと正しい腕の軌道を教えます。
ボールを投げようとすると、投げることに意識が行ってしまいます。
タオルを使って、腕の動きだけに意識を集中させることで、正しい腕の使い方が身に付きます。
それができてから、ボールを握ってキャッチボールをします。
これを繰り返しました。
毎日の練習でキャッチボールを始める前、ほんの1、2分のことです。
腕の動きの確認していました。
キャッチボールで腕を正しく振れるようになってから、ピッチャーとして、上半身と下半身の使い方を教えました。
良いピッチャーを育てるなら、その方が近道だと思います。
できたら、親子の練習でも、すぐにピッチング練習などしないで、正しい腕の使い方を教えてあげてください。
野球肘の最大の予防は、故障する前に、キャッチボールを通して腕の使い方を教えることです。
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